どうも、WOGです。

ぼーっとしてたらこの新巻漫画を2か月以上後に読むというどうしようもない生活をしておりました(苦笑)。



『アフタヌーン』でも連載を持たれていたので(ヴァムピール)、青年誌を読む男性で
「少女漫画はちょっと・・・」という方でも此の方の名前はご存知の方が多いかと思います。
何でか知りませんが少女漫画に必要以上のアレルギーを持つ男性って多いですよね・・・。
当方は漫画に関しては雑食なので「面白ければ何でも消費」な人間なのですが)

勿論、インターバルを置いてモーニング連載中の惣領冬実さんの『チェーザレ』
「少女漫画風な絵柄ながら時代考証や人物描写がしっかりしている青年漫画No.1」というのが
当方の現時点の評価です。

ただ、樹なつみさんの漫画はストーリー的に青年誌向きだなーと読んでて毎回思います。
(普段少女漫画読みそうにない知人男性も「『八雲立つ』は全部読んだ」と言ってました)

で、問題の『花咲ける』ですが。
本編が終わったのはもう20年前になります(苦笑)。
数々出て来る魅力的な男性キャラクターに誰派だ誰派だと連載雑誌を回し読みして
女子同士言い合っていたまだ若かった当時を思い出します(年寄り発言過ぎる・・・)。

しかし当方、本編の終わり方に全く納得が行かなくてですね。
いや、夢見る乙女チックヴィジョンでは
「自分だけを見てくれる最高の伴侶と自分の故郷で愛を育みながら暮らす」
なんてのはもうたまんないかもしれませんが、
残念ながら当方は当時からそう言った乙女チックフィルターが欠如しておりまして、
「おーい立人はそんなんでええんかー!」
どうしても企業家目線で考えてしまう訳です(苦笑)。

そんな立人が再び丁々発止のビジネスの最前線に復帰するのがこの巻です。
バーンズワースの会長として曹を従えている処で「あーやっとすっきりした!」と
溜飲が下がりました(笑)。


具体的な明示はしてないのですが、この『特別編第五巻』は恐らく2000年前後を
想定して書かれているのかな
、と思います。コレは、本文にもそれを匂わせる記述が
ありますし。
(でもNYCが比較的穏やかなので多分911テロの前かと考えられます)
携帯電話の形とか、パソコンのモニタの形とか、そういうのを考えてもこの辺かな、と。
(ふふふ、当方のような捻くれた読者はそういう重箱の隅まで見てるんですよ・・・)

20年経って特別編が執筆されると、絵柄が変わって来るものなのですが、
一応樹さんは「本編連載時の絵になるようにちょっと戻した」と仰ってます。
ものっそい細かい処で気付いたのが「新しく出て来た倣家筋の人々の名前の読み方」です。
本編だと大体北京標準話(立人、慶昌、視意)もしくは広東話(東旋)読みだったのが、
明らかに「客家語読み」に変わっています。
元々倣一族は客家系なので逆に「今の方が正しい」のですが、20年前当時は
客家語はそれ程注目されていなかったのもあるでしょうね。
(多分中国語の一方言的な立ち位置だった気が)
現在では台湾やマレーシア、インドネシア、タイなどの新興経済国で
大規模な資本を動かしているのが客家
なので日本でも客家語系の入門書が手に
入れられるようになりました。
ただ、客家語で問題なのは、各地に散らばってしまったがために、そこの現地語と
混ざってしまってクレオール化している
場合が多く、
「どこの客家語を標準客家語にするか」なんて
言い出したらそれこそ世界中の客家がわーきゃー騒ぎ出しそうな状態
です(苦笑)。

基本的には当方は日本語と北米英語しか読み書き喋りできませんが、
ちと最近色々と考えることがあって北京標準話や広東話なども少しだけ齧っています。
ただ、ホントに齧ってるだけなので、割と寝る前の寝オチの曲は
レスリー・チャンのスローテンポな曲にしてます。
(北米英語が聞き取れない人が英語の曲を寝オチ曲にするのと同じノリだと思って下さい)
レスリーの不幸な死から10年経ちますが、値上がる前にと買ったレスリーのCD全集
(香港輸入盤です)のブックレットに広東話で歌詞が書いてあるので、
それとピンイン表を見ながら「あ、此れは標準話の人が『外国語』っつうの判るわ」

思ったり。

話反れました。
『花咲ける』の本編は個人的にはあまし好きな終わり方では無かったのですが、
特別編を入れて読むと、すごく厚みが出て来る作品なんじゃないかな
、と思います。
(※飽くまで乙女フィルターが先天的に欠損している当方の感想なので、
乙女チックなエンディングをお望みの場合は本編で充分
かと思います)