どうも、最近全然ブログ更新して無くてサーセン、WOGです。

一応低空飛行ながらも(詳しく言うと素性がバレるので書きませんがwww)ちゃんと生きてますよ。

ところで世間では赤い服着て白の羽毛を裾に着けた人が飛び回っている時期ですが、「そんなもん関係ねえ!」とWOGが今回行って来たのは

20131224minamiza1483595_563325143748747_1387450886_n

四條・南座ですよ!

今までも色んな演目や役者さんが南座の舞台に上がっていますが(今年のGW辺りは海老蔵が来てました)、御屋形様を未だに愛してやまないWOGが選んだのは勿論、

20131224minamiza1491071_563295220418406_1030779493_n


澤瀉屋さんです!!!!(おもだかや、と読みます)

亀治郎の時代に主役・山本勘助の仕える武田信玄公を見事に演じ切った『風林火山』を見て「所作がめっさ綺麗な人やな~」と思ってて「一度絶対生でこの人の歌舞伎を見たい!南座で!」と決めていたので、亀治郎改メ市川猿之助さんが来るまで南座は「横を通り過ぎるだけで我慢!」でした。

それがどうでしょう、時代は流れて、猿之助の従兄に当たる(先代猿之助の息子でもある)香川照之さんが「市川中車」、その息子の政明くんが「市川團子」として澤瀉屋さんに加わる、と聞いたので「コレは行くしかないでしょ!」とわざわざクリスマスイブの夜というタイミングでチケット買って行ってきました。

実は当方、半沢直樹は見ていないのですが、香川さんがいい感じの悪役っぷりだったらしいというのは聞いていたので「コレが歌舞伎の世界に入るとどうなるんだろう」というワクワク感もありました。

上の写真のスクリーンでは猿翁、猿之助、中車となっていますが、猿翁さんが体調不良のため、襲名口上を紹介されたのは、人間国宝・坂田藤十郎さん。上方歌舞伎の大御所の堂々たる口上に、客席からも屋号の「山城屋!」という掛け声が飛びました。

因みに写真が前後しますが、南座の正門入り口(四条通り側)には、京都南座の年末恒例の勘亭流での「まねき書き」が掲げられていました(^^)
20131224minamiza1472249_563325183748743_555713595_n

そして、名前を見ても判る通り、上方と江戸の東西歌舞伎の名家が集まっての合同大歌舞伎です。演目はざざっとこんな感じ。
20131224minamiza1477646_563325160415412_44132114_n

歌舞伎を見る人に注意ですが、「大歌舞伎」と名が付いている場合はものすごく長時間になります。今回の「當る午歳 吉例顔見世興行」もなんと休憩時間入れて5時間超(笑)。弁当も幕間に食べるというえらく忙しい作業になりますので食の遅い人(WOGですwww)は注意して下さい。

演目は

第一 元禄忠臣蔵
所謂「仮名手本忠臣蔵」とは違い、浅野内匠頭も大石内蔵助も全く出てきません。吉良上野介もほんのちょっと(多分3秒ぐらいww)出てくるだけです(その代わり新井白石が出てきます)。一番の見せ所は中村梅玉さん演じる徳川綱豊(後の将軍家宣)と市川中車さん演じる赤穂浪士・富森助右衛門の丁々発止の台詞の掛け合いです。武士とは、義の心とは何か、綱豊と助右衛門それぞれの立場からの心情が吐露されます。こうした緊迫した掛け合い芝居を得意とする香川さんのお披露目には絶好の演目ではなかったでしょうか。

第二 口上
口上のみなので最も短いものです。しかし山城屋さんに紹介してもらうっていうのは中車さんは勿論、猿之助と言えど、すごい緊張したんじゃないでしょうか(苦笑)。

第三 黒塚
この演目は「澤瀉屋のお家芸」と謂われているものです。(黒塚について
能や夢枕獏の伝奇小説でも有名な話ですが、この和歌が謡われるのを聞いて何故か懐かしく思いました。

陸奥(みちのく)の安達が原の黒塚に鬼籠もれりと言ふはまことか

『拾遺和歌集』の平兼盛の和歌です。黒塚の場所は一応福島県二本松市、ということになっていますが、その他にも鬼婆伝説、黒塚伝説については岩手県盛岡市、青森県などにもあるそうです。
「寝屋を決して見てはいけません」という老婆(市川猿之助)の言い付けが気になってついつい見てしまう太郎吾(市川猿弥)。そして「見ぃ~たぁ~なぁ~」と鬼婆の姿となる老婆。何となくヴィジュアル的に「狐憑きかな?」と思いました。絶命シーンの猿弥さんの床への倒れっぷりが見事でした。そして鬼婆を法力で調伏しようとする大和坊(市川門之助)、讃岐坊(市川右近)、阿闍梨祐慶(中村梅玉)が数珠をこすり合わせ、鬼婆が苦しむ場面では「澤瀉屋!」「高砂屋!」「瀧之屋!」とあちこちから掛け声が飛んできました。猿之助の、歌舞伎ならではの長裾捌きが本当に見事で鬼婆ながら、その苦しみや狂い様に、一人の女であった頃の哀しい前世を想わせる「もののあはれ」が伝わってきました。

第四 道行雪故郷
近松の「冥途の飛脚」からの一節です。(冥途の飛脚について
商都・大阪から雪降る故郷の大和・新口村(現在の奈良県橿原市)に辿りついた二人の駆落ち人、遊びで身持ちを崩した大店の亀屋忠兵衛(中村翫雀、成駒屋)と忠兵衛の愛人・傾城梅川(坂田藤十郎・山城屋)の二人だけの芝居。日本舞踊に造詣が深い藤十郎さんの傾城の仕草が何とも言えず妖艶でした。元々忠兵衛は新口村の農家から大阪の店に養子に出された身の上で、梅川との恋で店を傾けてしまい(まあ、だから「傾城」と言われる訳ですがw)、逃げ付いた先の新口村でも「養家に申し訳が立たない」とけんもほろろに謝絶され、二人とも泣き崩れる、という感じのあらすじです。
二人だけの芝居の為、息の合った踊りや所作が求められるものですが、「藤十郎さんあんたホントに81歳ですかwww」とこっちがびっくりしてしまう位優雅な舞でした。
見どころの二人が号泣する場面では「成駒屋!」「山城屋!」と盛んに掛け声と拍手が鳴りやみませんでした。

第五 児雷也
こちらは一転して昭和以降、何度も特撮や映画の題材となった作品です(NARUTOとかにも出てきますよw)(児雷也について)。ガマの油でガマに変身したり、変身シーンでは煙幕が遣われたり、ライトによる特殊効果が施されていたり、所謂「スーパー歌舞伎」に近い演目で、見てて楽しかったです。
ここで当方が「びびび美人過ぎるううううう!!!!」と思わず望遠鏡でガン見してしまったのは市川笑也さん。遠目だとホントに細腰の美女に見えるんですよ!声も物凄く可愛らしい。実は当方が笑也さんの名前を知ったのはアニメ『雲のように 風のように』(原作は『後宮小説』)でした。時代の波に儚くもがく「ラストエンペラー」なキャラクター・コリューンの声を当てておられたんですが、ホントに声が高めで「地声はこんなんなのかな」と思いました(勿論本業の歌舞伎の女形ではめっちゃ声が高く響いてます)。

・・・とまあ、久しぶりに鬼のようにブログを書いた気がしますが、能に比べて言葉が判りやすいですし、私個人としても落語が割と好きなので台詞回しもそんなに気になりませんでした。

ただ、「落語を聞いたことが無い」「能も見たことが無い」というホントにビギナーな方には午前の部の「義経千本桜」の方が見ごたえがあるかと思いますよ。(猿之助が宙づりでめちゃくちゃ上を飛びますので)

20131224minamiza1481412_563295373751724_554846197_n

コレが開演前の南座。京都の四条河原町という場所柄、どうしてもチケット単価が高いです。普通に正面で見られる席とか25000円取りますし(涙)。なので、ビギナーの方はもうちょっと安い演舞場に行った方が良いような気がします。

20131224minamiza1474681_563325207082074_51878163_n

南座が有名なのは何と言っても「歌舞伎発祥の地」だからなのです。出雲阿国が阿国歌舞伎を始めたのが南座なのですよ。

まあ、そんなこんなで昨日は四条まで下ったついでに建仁寺なんかにも行ってきましたが、ちょい自分のキャパオーバーで書ききれません(苦笑)。建仁寺は来年が開祖の遠諱なので一般公開期間がめちゃくちゃ短いのでご注意くださいませ。